【メモ】反アベノミクス分類学
半年以上ぶりとは(笑)
今年は備忘録的にこのブログを使っていこうかと思っています。備忘録っていうかメモかなぁ。まとまった文章になってなくてもたたき台、今後なにか思い出した時に参考になるようなものを置いときたいなと。
オフラインでやりゃいいんですけど、せっかくあるからね。
以下メモ。タイトルは「反アベノミクス分類学」
アベノミクス、特に金融緩和について大きく分けると2つの批判がある。
1:金融緩和は「効かない」
基本的に「旧日銀」、まぁ「日銀理論」とか言われる人たちが当てはまるんだけど、微妙にここにも派閥があると思っている。ただ明らかに批判2とは違う点があって、その違いがごっちゃになってると思っているので整理。
1-1:ゼロ金利制約が大変だよ
「主流派経済学者」という概念があるなら、その中にいるアベノミクス批判者の大半はここに属すると思う。池尾先生、斎藤誠先生、翁邦雄先生、ついでに白川前総裁もここ。ゼロ金利下では「量的緩和」を行ったところで何も起きない、という議論。池尾さんの説明がわかりやすくて、バランスシートで国債と当座預金が入れ替わるだけだから意味がないよねというのが基本的な話。長期国債を買えば代替的じゃないんだけど、そもそも長期国債は一種のリスク資産であり、それを買ったことによる効果は金融政策じゃないんじゃないか?というのは岩本先生の議論だったと思う。
1-2:今のデフレは緩和では止まらない
藻谷浩介『デフレの正体』や吉川洋『デフレーション』なんかに代表されるように、緩和をしたところでデフレは止まらないんだよという派。1-1と何が違うかというと、仮にゼロ金利制約が今なかったとしても緩和でデフレは止められない、という結論になる(と思う)。藻谷さんは人口動態、吉川先生は賃金で決まるという。白川前総裁は人口とデフレについて触れていたので、こっちにも入りうる。
この2つは多分結構違っているんだけど、後者の人は前者を支持してないのに前者の人は後者を支持してる(イメージ)。
2:緩和(円安)は害悪だよ
野口悠紀雄先生のためにつくった派でもあるけれど、『競争の作法』の斎藤誠先生もここに入れていいと思う。野口先生の主張は、今円安で輸出は伸びないし輸入が増えるだけだというもの。これは事実で、Jカーブでごまかしきれないほど貿易赤字は拡大している(と思う)。ただこの原因が「海外に生産が逃げすぎたこと」だとすれば、その裏には円高が長すぎたこともあったわけで。野口先生は緩和反対の急先鋒だったからねぇ。うまいこと自分の主張に合うようにもっていったというか…
書いてて思ったけど、「円安」「株高」「デフレ」がごっちゃになってるのも原因の1つだなと思う。今年はどんな議論が出てくるのか知らないけれど、丁寧に追いかけていきたい。